2024/02/13 22:13:39

債権の取り立て

貸金業務取扱主任者試験

債権の取り立て規制

債権の取り立て規制は、貸金業の登録業者だけでなく、無登録業者も対象に含まれる。

以下の様な取り立ては禁止されている

  • 正当な理由が無いのに、午後9時から午前8時までは電話、ファクシミリの送信、訪問してはいけない
    • 正当な理由があれば良い
      • 債務者が承諾している
      • 他に連絡手段がない
  • 親族の冠婚葬祭時や年末年始、入院時、罹災時などの不適当な時期の取り立てもだめ
  • 正当な理由が無いのに、債務者等の勤務先その他の居宅以外の場所に電話をかけ、電報を送達し、もしくはファクシミリを送信し、または訪問する
    • 債務者が承諾しているか、債務者が申告した住所など連絡先を事前連絡なしに変更した場合は可能
  • 債務者等の居宅または勤務先その他の債務者等を訪問した場所において、債務者等から当該場所から退去すべき旨の意思を示されたにもかかわらず、退去しない
  • はり紙、立て看板その他なんらかの方法をもってするを問わず、債務者の借り入れに関する事実その他債務者等の私生活に関する事実を債務者等以外のものに明らかにすること
    • 電話や郵便物により家族に明らかになっても、直ちに違反行為になるわけではない
      • 債務者等から家族に知られないよう要請を受けている場合は違反になりうる
  • 債務者等に対し、債務者等以外の者からの金銭の借り入れその他これに類する方法により貸付けの契約に基づく債務の弁済資金を調達することを要求すること
    • 債務者等が自主的に他社から資金調達することは禁止されていない
  • 債務者等以外の者に対し、債務者等に変わって債務を弁済することを要求すること
  • 債務者等以外のものが債務者等の居所または連絡先を知らせることその他の債権の取り立てに協力することを拒否している場合において、さらに債権の取り立てに協力することを要求すること
    • 拒否している場合に協力を要求することが禁止されるのであり、協力要請行為自体が禁止されているわけではない
  • 債務者等が、貸付けの契約に基づく債権に係る債務の処理を弁護士もしくは弁護士法人もしくは司法書士もしくは司法書士法人に委託し、またはその処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手紙を取り、弁護士などまたは裁判所から書面によりその旨の通知があった場合において、正当な理由が無いのに、債務者等に対し、電話をかけ、電報を送達し、もしくはファクシミリ装置を用いて送信し、または訪問により当該債務を弁済することを要求し、これに対し債務者等から直接要求しないよう求められたにもかかわらず、さらにこれらの方法で当該債務を弁済することを要求すること
  • 債務者等に対し、上記のいずれかに掲げる言動をすることを告げること

自主規制基本規則で、威迫およびその他の人の私生活もしくは業務の平穏を害するような言動に該当するおそれがあるとする行為

  • 大声をあげたり、探訪な言葉を使うなど暴力的な態度をとること
  • 多人数(例示として3名以上)で訪問すること
  • 不適当な時期に取り立て行為を行うこと
    • 親族の冠婚葬祭
    • 年末年始(12/31 - 1/3)
    • 債務者等の入院時
    • 罹災時
  • 債務処理を代理人弁護士または司法書士に委託し、または債務処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手続きをとったことが弁護士または司法書士、裁判所から通知された場合、または債務者などからの電話その他の方法をもって判明した場合、もしくは財団法人日本クレジットカウンセリング協会から介入通知を受領した場合、その後債務者等に支払いを要求する
  • 反復継続した取り立て行為を行う
    • 例示として電話による連絡を1日に4回以上、または電子メールや文書による連絡を前回送付または送信から3日以内に行う
  • 親族または第三者に対し支払いの要求をすること
    • 例示として、あたかも返済義務があるかのように伝えることや、支払いの申出があった際に支払い義務がないことを伝えない

相当であると認められない債務者の申出

  • 債務者などからの弁済や連絡についての具体的な期日の申し出がない
  • 直近において債務者などから弁済や連絡に関する申出が履行されていない
  • 通常の返済約定を著しく逸脱した申し出がなされた
  • 申出に係る返済猶予期間中に債務者等が申出内容に反して他社への弁済行為などを行った
  • 申出に係る返済猶予期間中に債務者等が支払い停止、所在不明等となり、債務者等から弁済を受けることが困難であることが確実となった

相当であると認められる債務者の申出

  • 債務者等が申し出た弁済期日が、当該申出の日から1ヶ月を超えない範囲で、当該期日に近接して給料日その他確実な収入が見込まれる
  • 直近において債務者などから弁済や連絡に関する申出が履行されている
  • 通常の返済約定を著しく逸脱したとは認められない申出がなされた
  • 申出に係る返済猶予期間中に債務者等が申出内容に反して他社への弁済行為を行うなどの事情が認められない
  • 申出に係る返済猶予期間中に債務者等に支払い停止、破産開始などの申し立て、所在不明等債務者から返済を受けることが困難であることが確実と認められる事情が生じていない

催告書面などの記載事項

債務者等に対し、支払いを催告するための書面には以下の事項を記載し、または記録しなければならない。

  • 貸金業を営む者の商号、名称または氏名および住所ならびに電話番号
    • 債権を管理する部門または営業所等に係るもの
  • 当該書面または電磁的記録を送付する者の氏名
    • 債権を管理する部門または営業所等において、債券を管理する者の氏名
  • 契約年月日
  • 貸付けの金額
  • 貸付けの利率
  • 支払いの催告に係る債権の弁済期
  • 支払いを催告する金額
  • 支払い催告時における当該催告に係る残存債務の額
  • 支払いを催告する金額の内訳(元本・利息・債務不履行の賠償額の別)
  • 保証人に送付する場合は、保証契約年月日および保証債務の極度額その他保証人が負担する債務の範囲

支払い催告のため書面や電子メールを送付する場合、書面に封をしたり、本人のみが使用していることが明らかなメールアドレスにそうふするといった借り入れの事実が債務者以外の者に明らかにならない方法によらなければならない。

取立てに当たり明らかにすべき事項

債権の取り立てにあたり、相手方の請求があったときは、以下の事項について記載(8ポイント以上)した書面を交付または送付して相手方に明らかにしなければいけない。

  • 貸金業を営む者の商号・名称・氏名および取り立てを行うものの氏名
    • 従業者証明書の提示でも可能
  • 弁済受領権限の基礎となる事実
  • 取り立てる債権に係る、契約締結時の書面に掲げられた事項
  • 取り立てる債権が極度方式貸付けに係る契約に基づくものであるときは、当該契約の基本となる極度方式基本契約に係る契約締結時の書面に掲げられた事項
  • 債務者等に対して取り立てをするときは、債務の弁済期および支払いを催告する金額および、支払いの催告時における当該催告に係る残存債務の額および支払いを催告する金額の内訳(元本・利息・賠償金の別)
  • 保証人に対して取立てをするときは、保証人に対する契約締結時の書面に掲げられた事項

取り立て行為の委託の制限

取立て制限者には取立ての委託ができない

  • 暴力団員等
  • 暴力団員等がその運営を支配する法人その他の団体または当該法人その他の団体の構成員
  • 貸付けの契約に基づく債権の取り立てに当たり、禁止されている取り立て行為を行い、刑法・暴力団など処罰法の罪を犯す恐れが明らかである者

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