2021/04/17

良い戦略、悪い戦略 読んだ

良い戦略、悪い戦略 」日本語版の初版が2012年ということで、およそ10年前の本になるのですが、タイトルの通り様々な戦略について具体的に良い悪いが書かれている。戦略と目標、ビジョンの違いや実行不可能な戦略の否定など、当然のように思えるけれど多くの企業経営ではまりやすい戦略の誤謬について詳しい。おおむね、カーネルと呼ばれる診断・基本方針・行動の3要素が揃った戦略が良いとされ、ただの目標設定であるとか、現状把握ができていない状態での戦略設定であるとか、行動、実施が不可能な戦略は、まっこう否定されている。

本の中では様々な戦略策定場面というのが出てくるのだけど、月面着陸を目指したプロジェクトでマネージャーがエンジニアから月面の想定について判断を求められたときの大胆な決断は印象的。物事を前に進めるってそういうことよねという気がした。エピソード自体は戦略の良しあしを語るものではないのだけど。

あとは今を時めく NVIDIA の初期戦略なんかも出てくる。

最初に書いた通り、10年くらい前の本なので具体的な題材がすでに古びていたりする気もしないでもないが、当時の仮説にすでに答えが出ているものもけっこうあってそういう答え合わせとして読むのも面白いと思った。神話、伝説にあたるような古い戦いの戦略についても語られているので、戦略の良し悪しは時代を問わないのだろうと思う。

良い戦略、悪い戦略

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