# Bluetooth イヤホン/ヘッドホンの選び方 {{tag: Bluetooth}} 数値比較とか細かい点が間違ってたらごめんなさい。でも自分はけっこう Bluetoothヘッドフォン/イヤフォンを購入するのだけど、ここに書く方法で失敗したことがないのでどういうところを見て買っているのか要点をまとめておく。 ## 大前提 Bluetooth ヘッドフォンのボトルネックは主にコーデックです。コーデックによって音質のデータ的最高限度がまず規定されます。それから、伝送による音声の遅延も基本的にはコーデックによります。また、この伝送コーデックは送受信側双方が同じものに対応している必要があります。送信側か受信側のどちらかだけが高級なコーデックに対応していても、もちろんそれは利用されず、双方対応しているものが利用されます。 ## 音質 繰り返しになりますが、Bluetooth ヘッドフォンの音質に関しては、コーデックがボトルネックになるので、音質の良い(圧縮率が低い)コーデックに対応しているものが基本的に音質が良いということになる(物理的な音源発生部分に差がないとして)。 音質の良さそうな方から 1. LDAC 1. AptX-HD 1. AptX (AptX-LL) 1. SBC 1. AAC LDAC は SONY製品が採用してる。遅延を無視できるなら最高のコーデック。でも送信側も受信側もSONY製品で固める覚悟がいる。AptX-HD は LDAC よりも帯域が狭いけど実効上はほぼ同じくらいで遅延は小さいらしい。LDACとAptX-HDが高音質コーデックということになるのですが、LDACもAptX HDもamazonで見ている限りでは対応機種が限られているのがちょっと難。 AptX と AAC はそれぞれ Android 製品 / iOS製品で対応されている。AptX はかなり多くの bluetooth ヘッドフォン/イヤフォンが対応している。AAC は低価格帯ヘッドフォンだと対応が少ない(俺のamazon調べ)。 SBC は(いまの) Bluetooth対応をうたう音源送受信機ならほぼ全てが対応している。SBCとひとくくりにしても、実はこのコーデックの中でビットレートがけっこう違ったりするようなので、SBCだからといってひとまとめに音質が悪い・良いというのは難しく、レートだけで比較すると規格上の限界であれば AAC より優れているということもできるようす。 というわけで、個人的に音質面ではコーデックはわりとどれでも良いというのが結論になっている。私のmp3音源はビットレート低いやつ多いしそもそも。ただ、SBCの場合は全力出しているかどうかで随分劣化するようなので、AAC/AptXを最低ラインにすればはずれなさそう。 あと、そもそもLDAC/AptX-HDとAptX/AACあたりの音質差を耳が聞き分けられるのかってのを検証しておいた方がいいと思う。ここで書いているのはデータ伝送の話なので、音質のツボはもっと別の次元にあることが多くて、AptX/AACで十分じゃね?ってのは確かめておいた方がお財布にやさしい。当然ですが、音質の良いコーデックに対応している製品は高くなる傾向にあります。 ## 遅延 Bluetooth ヘッドフォンの音声は映像に比べて遅れる。なんで遅れるかは割愛するけど、とにかく遅れる。これは避けようがない。だって無線なんだもの。 遅延が低そうな方から 1. AptX-LL 1. AptX 1. AptX-HD 1. SBC 1. AAC 1. LDAC 遅延は、動画を Bluetooth ヘッドフォン/イヤフォンで視聴するならかなり気にした方がいい。特にスポーツとかライブとか、一番やばいのだとゲームとか。単純に音だけの世界ではない場合は本当によく考えておかないと全く使い物にならない可能性すらあるほど遅延する。これまじ。YouTube動画とか、そもそもリップシンクずれ気味の動画とか、もっと遅れるのでやばい。個人差あるので一概に言えないですけど、遅延については音質の差に比べて気になる人が多いと思う。コーデック同士の差も大きいので動画視聴するなら最低ラインで AptX です。動きのある動画なら AptX-LL じゃないと厳しい。ライブ映像で楽器演奏の指の動きを見るような場合、けっこう気になるので注意がいります。 ## ノイズキャンセリング 最近は ANC(Active Noise Cancelling)とかNoise isolation とかいうカジュアルなノイズキャンセリング機能を持ったヘッドフォンが出てきていて、かなり手ごろな値段でノイズキャンセリングが手に入ります。手ごろな値段の手ごろな機能性ですが、比較的十分だったりします。うちだと、うるさめのガス暖房とか洗濯機や食洗機のノイズがいい感じにかき消されます。 でも、個人的にはノイズキャンセリング機能なくてもノイズが気になってなかったということに気づいて、この機能なくて良いな、となってます。どっちかというといわゆる無音っていう環境音がない方がなんかストレス感じるし。 でも、高級なやつは飛行機で飛行中のノイズあたりまでかき消すらしいのでそういうの必要な人にはいいんじゃないかと思います。 あと、アマゾンの製品でノイズキャンセリングをうたっているけど、実際にそれは組み込みマイクでの話で、期待するものとは違うことがあるので、そこはよく確認した方がいいです。最近だと、ANCは本当に安くなっているので、そういう紛らわしい製品と価格が同じくらいになっている。 ## 壊れるところ これまで10製品以上 Bluetoothヘッドフォン使ってるんですが、壊れた箇所は 1. ワイヤー切断 1. イヤーパッド 1. バッテリー 1. 水没 1. 紛失 こんな感じ。 物理的に音の出るところが壊れたってのは経験がない。ワイヤーは電車で荷物にひっかけて引っ張られて切れた。イヤーパッドは経年劣化ですね。ヘッドフォンは大体これ。バッテリーはまあ、へたってくるやつはへたってくる。水没はポケットにいれたまま洗濯パターン。紛失は、完全分離型イヤホン落としてどっかいった。全体的に1年から3年くらいは使えてる。無事に使えれば3年は余裕でいけるのではなかろうか。最低でもけっこうメーカー保証で1年くらいは交換可能だったりしますし。 ## 選び方 コーデックについていろいろ書きましたが、だいたい音源の再生する端末に依存するので、実際のところあんまり選びようがないと思います。iPhoneならAACだし、AndroidならAptXだろうし、Xperiaつかってるなら LDACワンチャンあるけど機種変のときロックインをくやむことになるかもしれない。 いずれにしろ実際にどのヘッドフォンにするかって話なんですが、はじめての購入ならイヤフォンで 2500円くらい、ヘッドフォンで 6000円くらいまでで十分良いのが手に入るのでそのあたりの価格帯を狙うのがおすすめ。はじめてなら。失敗しても後悔しないくらいの値段に各自補正してください。Bluetoothヘッドフォンは、有線ケーブルから開放される反面、本当に高音質でないとダメな人や、遅延が許されないユースケースだった場合、無駄になる可能性が一応あります(そういう人は最初から認識あるでしょうけど)。ヘッドフォンなら有線にも対応してるのが多いですちなみに。とにかく一発買って無線の素晴らしさを感じながら次を選んだほうがいいです。 というわけで、具体的に経験上のおすすめは TaoTronics か MEE audio というメーカーで、はずれがないです。送信機もイヤホン/ヘッドホンも両方作っているので安心感があります。あと、日本なら Audio-Technica の10000円ちょいくらいのヘッドフォンもコスパ高いと思う。安心と信頼のブランドだし、主にコーデックの対応が多様で良い。(しかしUS amazonだと Audio-Technica 高い) ちなみに自分が最新で手に入れたのは MEE の Matrix3 です。型落ちだけどAptX/AptX-LL対応で $79。このメーカーは日本で買うと倍くらいになるので、日本で買ったらAudio-Technica 選んでたと思う。そういう意味では日本でもアメリカでも TaoTronics は安定している。 ## まとめ 最後は自分の目と耳で比べてみないとわからないです。同じ製品でも音って多少差がありますしね。ぼくはそういうレベルはまったく気にならないのであれですが。あと、ガジェットなので見た目とか着け心地がけっこう重要ですし。 そういうわけなので、基本的に自分は高価格帯には手を出さず、いろんな製品を買ってみる方が面白いですね。Bluetoothヘッドフォン/イヤフォンは。